サブスクを利用すれば徹底的な差別化戦略が実践できる

スタートアップ

新しく起業をする際にサブスクリプション(サブスク)を使った事業を展開するには、どのようにしたらいいのでしょうか?

世の中加速度的に「所有から使用」もしくは「所有から利用」へと消費者ニーズがシフトしつつあります。大量生産したものは、大量破棄しなければいけなかった理由は、生産者と保有者(消費者)が異なっていたからです。生産者(企業)は一度売ってしまえば、収益化・マネタイズできてしまうので、売った製品や商品がその後どうなろうと知ったことではありません。というか、積極的に関われば関わるほど、コストが嵩みます(アフターサービス人員を雇うと間接的コストもかかる)。売り切った後は、買った人にお任せ、もちろん無償で保証をつけるものの、1年間のみ、というのが、従来型(オールドエコノミー)のビジネスモデルでした。

オールドエコノミーの販売モデルには持続可能性が欠如


このモデルは、結局のところ、より低コストで高品質な商品を売る企業ー現在ですと韓国や中国メーカーでしょうかーが常に勃興してきて、価格競争に巻き込まれる運命にあります。1980年代や90年代は日本のお家芸であった家電も、2020年になると、純粋日本の家電メーカーと言えるのはパナソニック日立といった一部のみです。ご存知の通り、かつては世界を謳歌した日本の多くの家電メーカーは、中国や台湾メーカーの傘下となってしまいました。

こうした売り切り型のモデルに対して、家電メーカーとしても対策を講じてきました。例えば、アフターサービスにおいて差別化をはかっていくということで、保証期間の延長を有償で行いました。しかし、消費者としては、そもそも、修理に出すよりも、新しいものを買い換えようというインセンティブが働き上手くいきませんでした。なぜなら、消費者的には数年も経つとまた新しい機能がついた新製品も出ることだし、ということで、やはり販売価格以外に付加価値を訴求することが難しかったのです。

アフターサービスの充実は差別化戦略にはなりにくい

車のサブスクリプション

販売売・売り切りビジネスを転換させる方法として、破壊的なのがサブスクリプションモデルでしょう。使用した分だけ、料金を払う、という考え方は、アップフロント(購入時点)で大きな金額を支払わなければならない、販売モデルと比べた時に、消費者の負担は小さくなります。なんといっても、定期的なメンテナンスもサブスクリプションプロバイダーに担ってもらえる、というメリットがあります。

車のサブスクリプションを考えましょう。このサービスでは、月数万円で、車をメーカー系列ディーラーから借りて、車に不具合が生じれば、ディーラーに行って、無償で修理してもらえます。修理できなければ、新しい車を貸し出してもらえます。また、数年使って、いざ新しい車種に借り換えをしようとした際に、古い車はディーラーに戻せばいいだけです。古い車が戻ってきたディーラーは、フルメンテナンスを実施して、改めてサブスクすることができます。そして、10年もサブスクしていけば、さすがに、メンテナンスだけではなんともならないガタがきますので、メーカーが部品レベルで再利用をすれば良いのです。廃棄→スクラップにするよりも、作ったメーカーが解体→再利用する方がよほど効率的に資源を管理することができるでしょう。ついにあのトヨタもKINTOというサブスクリプションサービスを開始しています。

車のサブスクリプションには経済合理性があり、価格以外の訴求ポイントは消費者にとって魅力的

家電のサブスクリプション


家電も基本サブスクがいいですね。ダイソンも扇風機や掃除機で始めています。冷蔵庫や洗濯機は、たしかに耐用性は高いですが、毎年省エネの製品が出てくるわけだし、新しい製品への切り替えを手軽に行えることは、より消費を喚起できることでしょう。さらに、期待して大きな金額を支払って購入した家電だけど、結局あまり使わなかった、なんてことはよくありますが、サブスクだとこうした場合、より出費を抑えられます。メンテナンスも、これは製品の開発力にもよりますが、自動で診断できるような設定を、家電自体に埋め込んでしまうというのも一つのアイディアですね。IoT機器という感じで、ネットに自動で接続をして、機器の調子をメーカーに送る、もちろんセキュリティや個人情報の問題も出てくるとは思いますが、使用者の了解があれば、機器の情報をやり取り、するというような機能がつけられるといいですね。

家電もサブスクリプションとは相性のよい製品の一つ

価格競争からの転換


こう考えていくと、すべてのものがサブスク化できるような気がします。スマホも分割でなく、サブスクで、洋服も、住宅も、鞄も、靴も、といった感じで、今まで購入していたものを全て使用に応じて、料金をもらうという形に変えられます。
これはメーカーにとっても質的な変化を遂げるチャンスになります。今までは、販売価格の競争が全てでした。より良い商品をより安く、というのがマーケティングの基本で、差別化要素は、価格か機能でした。日本のメーカーは高機能+プレミアム価格で勝負するのですが、数量が捌けず、結局は低価格で大量生産をする新興国のメーカーに追い詰められていく形が、ここ最近の大きなトレンドではありました。しかし、サブスクという形をとれば、最初の価格での競争はほとんどなく、実際に使用した時の、満足度合いによって勝負をすることができ、より消費者の欲しているニーズにダイレクトに触れることができるようになるのです。

スタートアップで製造販売系の事業を手掛けるのならば、サブスク一本で戦略をたてましょう。消費者とのつながりを強化して、顧客をファン化していきましょう。

  • サブスクリプションは、売り切り型の販売戦略では得られない差別化要素を提供できる
  • 商品サイクルや中古引き取りが必要な自動車や家電は特に相性がよい
  • 価格と機能以外の価値を商品者に訴求することが大切
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