大企業信仰を変えるアプローチをしよう

スタートアップ

日本のシステムが硬直化していると言われて久しいです。新卒一括採用、大企業信仰、勤続年数と役職の相関性、解雇が難しい労使関係、イノーベーションを生みにくい環境、多様性に乏しいガバナンス構造などが挙げられます。経団連も、日本の旧来型の問題点について共同提言をしています。

また、これに相まって日本を取り巻くマクロ環境も、例えば、少子高齢化、財務省自らも認める政府部門における多額の負債(将来的な増税の可能性)、労働力不足、など日本の企業にとっては逆風が吹いています。成功の罠という言葉がありますが、日本経済の現状はまさに罠にはまっている状態です。

大きな視点から言えば、日本は大きな岐路に立っています。戦後奇跡の復興と遂げたビジネスモデルを修正継続して再び復権を狙うのか、全く新しいエコシステムを構築して新たな挑戦をしていくのか、ということです。どちらの考えに則っても、両者に当てはまる事実は、「何かを残して」「何かを変化」させていかなければならない、後はその程度問題だろう、ということです。しがらみのない、まったくの白紙の状態からグランドデザインを描けるか、実行できるかが問われています。

個人の意識改革

一方、グランドデザインを作り、ただ単に法律や制度を変えても、仏作って魂入れず、の状態では、もとの木阿弥です。一人一人の徹底的な意識改革が大事になってくるでしょう。そうした意味では、最も変えなくてはいけない意識の一つが、組織に所属するという発想ではなく、所属した組織で何をやるかという発想でしょう。大企業に属しても、スタートアップを始めても、大学で研究を続けていても、どういう目的意識で、どういう結果を導き出したいか、という事を一人一人が突き詰めていかなければなりません。一人ひとりの意識改革こそが、改革の一丁目一番地でしょう。

日本は課題先進国と言われるように、課題はいくらでもあります。課題を見つけ、その課題を処理するにはどうしたら良いか、という事を、より迅速に行っていく必要があります。

地方の公共交通機関

例えば、課題の一つに、地方の公共交通機関をどのように維持していくか、というものがあります。東京一極集中ではありませんが、東京に人口が集中していった結果、地方からの人口流出が続いています。その結果、地方の公共交通機関が維持できないほど不採算になってしまっているので。3セクと言われる、半官の組織が運営する鉄道路線は、その象徴とも言えるでしょう(国土交通省によれば、平成30年は約7割の事業者が鉄道事業で赤字になっています。)地方の交通の足となっているローカル線は、沿線住民の減少によって、赤字が続いています。こうしたローカル線をいかに、維持し、黒字化を目指すのか、という視点で解決先を見つけていくために、どうしたら良いか、と考え、解決に向けて行動するということが、これから先求められている人材です。

また、もうすこし視点を大きくすれば、人口減少が続く地方をどのように再生するかということも今後ますます求められていくでしょう。過去の日本の行政のようにインフラを拡大するために、ジャンジャンと財政支出をすることは誰でもできました。(もちろん戦後間もない、資金が不足していた時代は、インフラ投資が重要でした。)

いま問われているのは、一度拡大したインフラを縮小するには、どのような合意形成をとればよいのでしょうか?ということで。ある場所に長く住んでしまうと、そこはその人にとって懐かしい故郷になります。そうした故郷を、インフラ縮小のために、捨てなければならないということになったら、その人の喪失感をマネッジするにはどのようなアプローチが必要でしょうか?

今後のアプローチ

おそらくは、誰もが直面したことのない困難なので、誰かがリーダーシップをとりながら、経済、環境、心理ケア、法制度といった分野のスペシャリストが連携を深めることで、問題を解決しなくてはならない、という複合的なアプローチが必要となってきます。こうした複雑な課題を解決するときに、人はどの組織に所属するのがベストなのでしょうか?民間の大企業なのでしょうか?政府組織でしょうか?恐らく答えはどちらでもありません。そうした組織との一部連携は当然必要だと思われますが、そこに属せれば解決できる問題でもありません。まずは、個々人が課題を設定して、ベストなソリューションを提供できる体制を整えることが最も大事なアプローチとなります。スタートアップでも大企業でも、問題設定をして解決をするということに差はありません。逆に言えば、今こそ問題解決型のスタートアップを立ち上げるチャンスです。

まとめ

  • マクロ環境的には、日本は持続不能な状態にある
  • 強みである過去の遺産を、どのように活用し、また捨て去るのかのグランドデザインが必要
  • 一人ひとりが意識改革を行わなければ、日本は変わらない
  • 逆に意識改革ができていれば、これほど課題と解決策に恵まれた国はない
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