商品開発のプロセスを再定義!顧客価値の最大化が重要

スタートアップ

このページでは、商品開発の手法を見直すことで起業ができないか、ということを検証しています。

今までの主に大企業が行う商品開発と言えばどのようなプロセスだったのでしょうか?大手のメーカーが研究開発を重ね、基礎技術を数年、長い時には数十年かけて行い、そして実用化に向け試作品を作り、完成度が高くなれば、マーケットに出して信を問う、こうしたやり方が、多かれ少なかれ今までのスタンダード(標準)でした。研究開発費ということで、長い時間赤字を耐え凌ぎ、研究員が大事に育てた技術を、一気に製品化する、というプロダクトアウトが日本の強みでした。例えば、東レの炭素繊維しかり、トヨタの水素電池もしかり、10年前は誰も見向きもしなかった技術が、今はESG的な観点から脚光を浴びています。日本の企業のお家芸とも言えます。

オールドエコノミー下における商品開発は、長期的視野で初期赤字を長年計上する、というのが特徴

プロダクトアウトの限界


確かに、誰からも見向きがされないといって研究を止めてしまっていたら、それらの技術は埋もれてしまったでしょう。また、製品化の時点で、追加の設備投資に踏み切ることができなければ、海外の競合に技術だけ持っていかれてしまうかもしれません。よい(悪い?)例は有機ELパネルや太陽光パネルでしょう。日本勢が研究では先行していたものの、いざスマホのパネルの採用されるということが決まると、そこに日本勢はおらず、韓国勢が量産体制を整えている、という感じです。リチウムイオン電池もそうですね。現在では中国の寧徳時代新能源科技(CATL)比亜迪(BYD)が市場をリードしています。

オールドエコノミー型の研究開発の問題点は、販売することでなく、開発することに主眼を置いてしまっていること


ただし、スタートアップが、大企業と同じプロセス(プロダクトアウト型)で、製品開発を行おうと考えれば必ず資金的に行き詰ります。そもそも10年もかけて研究開発する余裕などなく、それも当たるか当たらないかは、10年後に神のみぞ知る、という事業プランを持っているスタートアップに、どのような投資家も投資を行わないでしょう。少なくとも私はそのようなスタートアップには投資をしません。

スタートアップの製品開発

スタートアップの今後の製品開発は、アイディア→クラウドファンディング→試作品→改良アイディア→クラウドファンディングを高速で回すプロセスを何度も経ることが重要です。完成度の高くないプロトタイプでもいいから、マーケットに出す。そして、クラウドファンディングでの調達を経て晴れて改良試作品が出来たら、一気に大量生産をするのではなく、こんどはサブスクで半年程度、ユーザーに使用してもらうのです。サブスクユーザーがどのような評価やコメントをしてくるのか丹念に声を拾い上げ、半年程で相当のフィードバックが得られるはずなので、そのフィードバックを改めて分析し、更なる改良を加えていきます。加えて、もう一度改良点を加味した試作品をクラウドファンディングで資金調達し、最終品を作り出します。最終品も、もちろんサブスクで使用をベースにした課金システムを構築します。このモデルは、全ての商品や製品に適用できます。財布、家具、テニスラケット、洋服など何でもこの方式で開発することができます。

ニューエコノミー化(商品開発2.0)では、消費者やユーザーと繋がりながら開発をする。常にユーザー目線の開発をする。

サブスクの申し込みがあった時点で、新しく作る、途中でサブスクの継続の中止があった製品を再度見直すというやり方は、大量に作って製造コストを下げよう、などというスタイルとは一線を画すのです。スタートアップ的な製品開発の要諦は、お金の出してである投資家やユーザーの満足度を高めるために、どれだけ密接に彼らの意向を集めていくのか、それをどれだけクイックに製品に反映するのか、という点に焦点を当てて戦略を組み立てるのです。

顧客価値を高める施策


使用をベースにした課金モデル=サブスクリプションは、常に使用者とコミュニケーションを図ることができるメリットがあります。ここが壊れた、ここを改善して欲しい、これはどうするの?こういった利用の仕方もあるね。こうした今までであれば、見落としがちなコメントを全部拾い上げ、自社のウェブ上で開示します。またクローズドのSNSもつくり、ユーザーにコミュニティメンバーに所属してもらい、コアユーザーを育てていきます。コアユーザーが、今度はどんどん自社の製品やサービスの宣伝を行っていくことでしょう。
このポジティブフィードバック環境を、スピーディーに上手く管理することが、スタートアップの競争力の源泉となります。

サブスクリプションを通じてユーザーとの長期的な関係を築くことでスイッチングコストを高めていく

大企業の意思決定は課長→部長→執行役員といったヒエラルキーがあるし、またレピュテーションリスクもあるので、なかなか機動的なアプローチというのができないのです。ところが、スタートアップは、そうした制約条件が一切ないのですから、ユーザーオリエンテッドな製品開発をスピーディーに柔軟に徹底することができます。あくまで、製品開発の主軸は、ユーザーの満足度を、自社が持ちうるリソースで如何に最大化するかです。全く新しいノーベル賞狙いの発明をすることではありません。製品化プロセスの発想を変えることで高いリターンを狙っていく、これが一番の狙いでしょう。

顧客価値の最大化を目指す

さて、サブスク製品も満足度が高まり、いよいよニーズも増えてきました。次の選択肢はどうしますか?答えは、顧客価値の最大化です。サブスクの値段をあげて収益向上を目指したいと思うかもしれませんが、ここは敢えて、サブスクの値段を下げてみることです。そうすると、ファンのすそ野が益々増えていくことでしょう。クラウドファンディング利用型のモデルであるならば、銀行借入といった、定期的なアウトキャッシュフローはないはずです。熱狂的な賛同をしてもらえる顧客基盤を如何に増やしていくか、そのためには、サブスクの値段を10%下げて、その代わり顧客基盤を20%増やすといった戦略がとります。また製品の売り切りは行いません。故障や破損した製品は、引き取り、原因を究明して、仕える部品はそのまま活用して、リビルドしていく。こうすることで、生産コストも下げることができます。

まとめ

  • プロダクトアウト型の研究開発はスタートアップには難しい
  • 消費者やユーザーと対話しながら商品を開発しよう
  • 製品を大量に作るやり方でなく、サブスクリプション型の販売にする
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