低コスト物流を実現させるスタートアップは面白い

スタートアップ

オンラインでサービスを提供するべく起業をしてみても、物理的に物の移動が伴うビジネスモデルの場合、コスト面でどうやっても、他の企業との差別化が難しいスペースがあります。

例えば、ECを使って家具を売るサービスを考えましょう。家具の販売会社は、自社で木製家具を製造していると仮定します。すなわち家具の製造販売会社、名前をA社であると仮定します。

A社は、より良いサービスを顧客に提供しようと考えます。まず、良質の木材をより低コストで仕入れるために、木材の切り出し地に近い場所に製造工場を建てました。これで、良質の木材に、低コストでアクセスすることができます。そこで、顧客からの注文に応じて家具を製造することにします。無事製造できた家具は、外部の運送会社を用いて、顧客のもとに届けられます。この時、顧客の購入価格は、木材原材料+加工賃+販売費用+運送費+A社の利益で決まります。

もし、同じように家具の受託製造販売を行う企業Bが、A社と同じように、異なる場所ですが、原材料を提供する場所近くに工場を設立して、同品質の家具を販売したとしたら、A社にはどのような影響があるでしょうか?もちろんA社とB社を単純に比較することはできません。A社とB社が全く同じような家具を作ることは、現実的に不可能で、双方の家具には品質(デザインや木材の状態、色、用途)などで必ず異なるからです。しかし、ここでは、顧客=消費者が、ほぼ認知できないほど、差別化がなされていないと仮定しましょう。そうなってくるとA社とB社で唯一価格競争できる箇所は、「利益」か「運送費」となります。」

おそらく双方ともに利益を減らしていき続ければ、双方共倒れででしょう。囚人のジレンマ的な共倒れは避けたいのはA社とB社共に同じ思いです。一方で、運送費用はどうでしょうか?運送費は、運送会社が同じであるならば、コストは同じです。もちろん、日本の多くのメーカーで、自社物流子会社を所有している通り、物流を内製化することで、費用構造を変えることはできます。しかし、物流の内製化には、自社で物流倉庫を作り、トラックを保有し、運転手を確保し、と相当の物流量がない限り、おそらく初期投資を賄うことができなくなってしまいます。よって、多くの販売会社には物流をアウトソースするインセンティブ、言い換えれば、アウトソースする以外の道がないのです。

既存物流の変革の必要性

現在の物流コストは、物流会社へのアウトソースがメインであるため、価格への差別化が難しくなっています。よって、この物流会社をスタートアップが作ってしまうというやり方は、大いに事業としての可能性を秘めると思われます。なぜならば、物流会社のビジネスモデルは、それこそ戦後ほぼ変わってないからです。単純化するならば、荷物の集荷・配送センターを全国で構築、トラックを購入、運転手を雇い、センターとなる物流拠点からハブ&スポークモデルで全国に配送を行うという形です。この分野をITを駆使して攻め入るというのは大いに検討できることでしょう。さらに社会的な要請もあります。すなわち、トラックドライバーは高齢化しつつあり、また少子高齢化も影響して、代わりとなるドライバーの数にも限りがあるという現実です。

新しい物流網

低コスト物流を如何に実現するか、さらには物流量が増えても、環境問題(車や飛行機の排気ガス、渋滞、物流拠点構築のための自然破壊)を引き起こさないようにするには、1社のスタートアップには荷が重いでしょう。例えば、EV(電気自動車)トラックを導入して、二酸化炭素を出さない配送を実現しますと言ったところで、そもそもEVトラック自体は、ガソリンエンジン車よりも高いわけだし、物流に新たに参入するスタートアップでは、既存のプレーヤーに打ち勝つことはできません。そこでは、やはり発送の転換が必要でしょう。例えば、すでにある物流網に、新しい積荷を増やすことを検討するなどです。一つの考え方が、全国にあるコンビニエンスストアーです。鮮度を保つために、一日何度も配送をするコンビニエンスストアの物流網(セブンイレブンの場合、常温だと1日7回まで配送しています)に荷物を乗せることができれば、荷物のみを乗せるサービスと比べれば、安価な物流網が構築できそうです。各コンビニが別々ではなく、大手コンビニが共同配送という形で集まって積荷を行うというのはどうでしょうか?

また同じように、キリンなどの飲料メーカーなどは独自の物流網を持っています。飲料会社も共同配送できる下地はありそうです。例えば、自動販売機への充填を行なっている物流網に荷物を乗せる、新聞配達のルートを使って、荷物を配送するといったアプローチです。

まとめ

  • モノ造りの差別化要因として物流費がある
  • 物流のアウトソースは避けれれない
  • すでにある流通網で他商品や製品を流せないか考える

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